能登半島地震の災害支援派遣に行ってきました

日本看護協会から災害支援ナース派遣要請があり、2月26日から29日までの4日間、石川県金沢市のいしかわ総合スポーツセンターの1.5次避難所で支援活動を行ってきました。

災害支援ナースとは看護職能団体の一員として、被災した看護職の心身の負担を軽減し支えあうよう努めるとともに、被災者が健康レベルを維持できるように被災地で適切な医療・看護を提供する役割を担う看護職のことで、都道府県看護協会に登録されています。

私は2013年に災害支援ナースの登録をして9年になりますが、初めての災害派遣でした。

今回派遣されたのは岐阜県・愛知県・福井県の看護協会から各2名(合計6名)でした。現地では石川県看護協会の職員や石川県庁職員、J-RAT(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士による支援チーム)、保健師薬剤師、介護士、ボランティア等の支援スタッフで協力をして、避難所にみえる90名の避難者の方の健康管理や日常生活援助、環境整備や創傷処理等を行いました。

避難者の方はほとんどが輪島市から着の身着のままで自宅から難を逃れ、輪島市内の1次避難所から1.5次避難所(※)に避難された方でした。高齢の方が多く、この避難所で40日以上生活をしてみえる方も多くみえました。地震発生から約2か月が経過していましたが、スポーツセンターのメインアリーナには災害用テントが200以上設置されていていました。

石川県の支援ナースの方は、自身が被災者であるのにもかかわらず「家は金沢市で大きな被害がなかったから、他の被災者、避難者のために何か少しでも力になれたら…」と語りながら笑顔で避難所の方たちの支援をしてみえました。

(※)1次避難所…一時的に避難する場所で学校や公民館など

1.5次避難所…高齢者、障害のある人など介助が必要な人とその家族を対象とした

2次避難所が見つかるまでの短期間滞在する場所

2次避難所…ホテルや旅館などの生活や介護の環境が整った施設(仮設住宅含む)

災害テントが設置されたメインアリーナ
1つのテントには定員は2名 
避難所のお昼の炊き出し

支援ナースとして避難者の皆さんの役に立ったのかはわかりませんが、避難者の方たちと交流し話を聞くと、「看護師さんがいてくれるだけで安心してここにいれる」とお話して下さりました。

支援ナースとして出来たことは少しだったと思いますが、そばに寄り添うことで少しでも震災の事を忘れてくれる事が出来たのならば幸いです。

避難者の方が一日でも早く普段の日常が取り戻せることを願っています。

今度は金沢おでんを食べて兼六園に観光に行きたいです(復興支援として)。

文責:看護師 長尾三奈