感染症のお話し「冬の食中毒にご用心」

最近は朝晩の冷え込みもひどくなりストーブ、こたつ、暖房が欠かせない時期となりました。おでんやなべ料理などの温かい食事が恋しくなる時期ですね。

さて、この時期といえばインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症が流行りだす時期となります。が、今回は「冬に気を付けたい食中毒」についてお伝えします。

冬に気を付けたい食中毒とは・・・・・そう、ノロウイルスです

〇なんで寒い時期に流行するの?

食中毒でよくニュースにもなるノロウイルス。1年を通して感染者は見られますが、11月~2月の寒い時期には特に感染者が多いのです。

厚生労働省:ノロウイルス食中毒予防対策リーフレットより引用

その理由として、

・ノロウイルスは低温に強く、温度が低いほど長期間、生存し続けることができる

・ノロウイルスは、乾燥にも強いウイルス

・ノロウイルスが蓄積し汚染された牡蠣を食べることで発症する。冬は牡蠣などの二枚貝を口にする機会が増える

があげられます。

〇予防するには「加熱」「手洗い」「消毒」

一般的にノロウイルスの感染は、ノロウイルスに汚染された食品を生食または加熱不足で摂取する場合が主なものとされます。しかし手指にノロウイルスが付着し、その手指を介してウイルスが移り、感染してしまうという場合も少なくありません。そのため、ノロウイルスを予防するためには「加熱」「手洗い」「消毒」が重要となります。

【加熱:食品は十分に加熱する】

ノロウイルスは他の食中毒菌と比べて耐熱性があるため、食品の中心部までしっかりと加熱することが大切です。牡蠣などの二枚貝を調理する場合は、

85℃~90℃で少なくとも90秒以上

加熱することが必要です。十分に加熱ができていれば、感染リスクを軽減することができるので、特に、抵抗力の弱い子どもや高齢者向けの調理は、念入りに加熱してください。

【手洗い:石鹸と流水で手に付着したウイルスを洗い流す】

ノロウイルスはアルコールに対して抵抗性を持つため、手についたウイルスを除去するには手洗いが有効です。手洗いをするタイミングは

・外出からの帰宅時

・トイレの後

・感染者の便や嘔吐物の処理後

・食品を取り扱う直前、調理中

に行いましょう

【消毒:次亜塩素酸で消毒する】

ノロウイルスには塩素系消毒剤が有効です。次亜塩素酸ナトリウムを必要な濃度に薄めて、環境の消毒、食器、衣服の消毒、嘔吐物の処理に使用しましょう。(詳細は厚生労働省ホームページ「ノロウイルスに関するQ&A」をご参照ください)

厚生労働省:ノロウイルス食中毒予防対策リーフレットより引用

2025年を安全・安心に気持ちよく迎えることができるように、冬の感染対策をしっかりしておきましょう。

感染対策でお困りの際はいつでもお気軽にご相談ください。

文責 関中央病院 感染対策室 古田 祐世

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