2024年夏頃から「マイコプラズマ肺炎」にかかる方が急増しています。
発熱や長引く咳といった症状が特徴で、子供を中心に感染が広がります
マイコプラズマ肺炎は感染から発症までの潜伏期間が2週間~3週間と比較的長いため、いつ感染したか分かりづらく、症状が出ても風邪だと勘違いして外へ出歩く方も多いため「歩く肺炎」と呼ばれています。また4年周期で流行すると言われており、「オリンピック肺炎」とも呼ばれています。
下の表はマイコプラズマ肺炎と、現在感染者数が増えているインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症の特徴をまとめたものです。
疾患名 | 原因 | 主な症状 | 感染経路 |
マイコプラズマ肺炎 | マイコプラズマ・ニューモニエ | 発熱 長く続く咳(3~4週間) のどの痛み 倦怠感 | 飛沫感染 接触感染 |
インフルエンザ | インフルエンザウイルス | 発熱 咳 のどの痛み 倦怠感 関節痛 鼻みず、鼻づまりや頭痛なども見られる | 飛沫感染 接触感染 |
コロナウイルス | SARS-CoV-2 (新型コロナウイルス) | 咳 発熱 倦怠感 関節痛 味覚・嗅覚異常 など | エアロゾル感染 飛沫感染 接触感染 |
マイコプラズマ肺炎は初期症状として発熱や倦怠感、
頭痛などが現れ、発症後3~5日で咳の症状が出るようになります。
咳は次第に強くなり、熱が下がった後も3~4週間続きます。
患者として報告されるもののうち約80%は14歳以下ですが、
成人の報告もみられます。
インフルエンザなどとは違い、マイコプラズマ肺炎にはワクチンがありません。
マイコプラズマ肺炎の予防のためにマスク着用、石けんによる手洗いやうがいなど、基本的な感染症予防方法を徹底しましょう。
文責:検査科 塚本真衣