~ 薬剤サマリーによる情報提供始めました!! ~

2020年度はこのブログで「ポリファーマシーへの薬剤師の介入とかかりつけ薬局への情報提供について」お薬手帳を活用した運用について紹介させて頂きました。

2021年度のブログは、新たに導入した「薬剤サマリーを活用したかかりつけ薬局・かかりつけ医への情報提供 」について紹介したいと思います。

まず「ポリファーマシー」という言葉、みなさんご存知でしょうか?
テレビや雑誌で一時期はよく話題となっていましたが、簡単に言うと「その人にとって必要以上の薬が投薬されている状態」を言います。

例を挙げると、風邪などの急性期疾患で処方される咳止めが長期に処方される場合がこれに該当します。

当院では、ポリファーマシーの状態であるか判断するために患者様
又はそのご家族から投薬歴を聴取する事があります。
その際「お薬手帳」を持参して頂くとより正確に判断する事ができます。

ここで得た情報をもとに、薬剤師がその薬の必要性を判断し、患者様個人に合わせた処方提案を医師に行って、薬剤を減薬・調整していきます。
これが当院における「ポリファーマシー対策」です。

こういった取り組みは現在多くの病院で活発に行われるようになりました。

しかし、一定の年数が経過する中で一つ大きな問題が生じました。それは入院中に減薬した薬がかかりつけ医に変わった時点で、再開されてしまう事例が散見された事です。


これは退院した病院からかかりつけ医(薬局)に、入院中の処方変更の意図が伝達されていない事が大きな原因でした。
そこで昨年度は、入院中の処方変更の意図を退院時にお薬手帳に記載する事で情報提供を行っていました。

しかしお薬手帳に記載できる情報量は限られており、より詳細な情報を提供する事で患者様の安全で適切な薬物治療に繋げる取り組みとして今年度は「薬剤サマリー」を導入する事としました。
そこで「薬剤サマリー」を作成するソフトを調剤支援システムに搭載し、数回のシステム改修を基に、まずは当院回復期を退院された患者様を対象にお薬手帳による情報提供と共に「薬剤サマリー」もかかりつけ医及び薬局へ提供する事としました。

薬剤サマリーは、お薬手帳による情報提供よりもより詳細な情報を提供でき、「入院時持参薬」と「退院時処方」が比較できる上、患者様の内服状況や処方変更の経緯、さらに1部の検査値も掲載でき
るようになりました。今は退院されるすべての患者様に提供できる環境までには至っていませんが、今後も情報提供は続け
ていく予定です。
今回は薬剤サマリーとお薬手帳を併用した情報提供について紹介させて頂きましたが、薬に関する事はいつでも最寄りの薬剤師にご相談ください。

 

文責:薬剤科主任 岡田 良

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