~ お薬手帳を活用した情報提供始めました!! ~

2018年はこのブログで「高齢者の多剤併用( ポリファーマシー )について」紹介させて頂きました。
2020年度最初のブログは、「ポリファーマシーへの薬剤師の介入とかかりつけ薬局への情報提供」について紹介したいと思います。

まず「ポリファーマシー」という言葉、みなさんご存知でしょうか?

テレビや雑誌で一時期はよく話題となっていましたが、簡単に言うと「その人にとって必要以上の薬が投薬されている状態」を言います。
例を挙げると、風邪などの急性期疾患で処方される咳止めが長期に処方される場合がこれに該当します。
当院では、ポリファーマシーの状態であるか判断するために患者様又はそのご家族から投薬歴を聴取する事があります。

その際「お薬手帳」を持参して頂くとより正確に判断する事ができます。

ここで得た情報をもとに、薬剤師がその薬の必要性を判断し、患者様個人に合わせた処方提案を医師に行って、薬剤を減薬・調整していきます。
これが当院における「ポリファーマシー対策」です。

こういった取り組みは現在多くの病院で活発に行われるようになりました。

しかし、一定の年数が経過する中で一つ大きな問題が生じました。それは入院中に減薬した薬がかかりつけ医に変わった時点で、再開されてしまう事例が散見された事です。

これは退院した病院からかかりつけ医(薬局)に、入院中の処方変更の意図が伝達されていない事が大きな原因でした。

そこで当院薬剤科でも、入院中の処方変更の意図を退院時にお薬手帳に記載する事にしました。

記載事例を下に紹介します。

  • 退院時薬剤情報提供
    【入院中の薬剤変更】
    1/1〇キソ〇ロ〇ェ〇錠60mg中止(疼痛軽減)⇒問題なし
    【特記事項】
    ○○○・・・

提供項目は下記の通りで、①⇒⑤の順に記載する。
① 日付 ( お薬が開始・中止・変更になった日 )
② 薬品名 ( 該当する薬剤、商品名を記載 )
③ 薬の追加・中止等
④ 起点となる症状 ( 中止・追加になった原因となる症状 )
⑤ その後の経過 ( 変更後の症状の変化 )

このような感じで、できるだけ簡潔・明瞭に記載するように努力しています。
今は退院されるすべての患者様に提供できる環境までには至っていませんが、今後も情報提供は続けていく予定です。
今回はお薬手帳を活用した情報提供について紹介させて頂きましたが、薬に関する事はいつでも最寄りの薬剤師にご相談ください。

文責:薬剤科主任 岡田 良

 

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