「医療安全管理室」とは?

関中央病院の中には「医療安全管理室」という院内の「医療安全」を管理することを目的とした部署があります。

医療安全管理室は、看護部や診療技術部(リハビリ科や薬剤科など)、または事務(医事課や総務課)など、院内で発生するあらゆる「医療安全」の問題を扱い、同じような問題を繰り返さないように、その問題を分析し、チームで具体的な対策を講じていきます。

「医療安全の問題」には代表的な事例として以下のようなものがあります。
1. リハビリ中にあやまって転んでしまった(転倒・転落)

2. 介助の際に点滴が抜けてしまい皮膚を傷つけてしまった(皮膚損傷)

3. 朝の薬を昼に服用してしまった(誤薬)

4. 職員の態度が悪かった(接遇)

そして、上記の問題だけでなく、実際には発生していないが起こりうる可能性があった問題である”ヒヤット”(インシデントと呼びます)するような事例(転びそうになって看護師が手を伸ばして助けられたが、近くにいなかったら危なかった等)も「医療安全」の範疇に入ります。

そもそも、病院の中で行われる「医療安全の取組」とは、『患者の安全を守ることを主として、さらに幅広い医療関係者の関りのもとに、体系的かつ広範な取組を推進すること』(平成13年厚生労働大臣提唱)となります。つまり、医療安全の問題は病院に勤務する医療従事者がチームで取り組まなくてはならない問題と言えます。

関中央病院の医療安全管理室では、病院の中で起こる「医療安全の問題」は「あってはならない問題」としてその原因を「個人の能力」で済ませるものではなく、「医療安全の問題はどんなに注意していても起こりうる問題」として扱い、「チームや組織全体のあり方を改善しなければ防げない問題」として扱い、その問題解決に向けて活動しています。

例えば、最初に紹介した「転倒」の事例では、同じことが起きないように患者様周囲の環境を整える(転びやすいようなものを近くに置かない、ベッドに手すりを設置する等)ことで、問題を繰り返さないような対策を立案し、チームで実行していきます。


毎年、年2回の全職員を対象とした医療安全の研修会を実施していますが、今年度は第1回目「転倒・転落」(6月)、第2回目「誤薬」(11月)について、自分達がどうしたらそれを防ぐことが出来るのかを事例を交えながら開催しました。


「医療安全」の取組は職員一人ひとりの心がけによることも重要ですが表には出にくい部分もあり、患者様が安心・安全に診療を受けて頂けるよう、これからもチームで協力して関中央病院として「医療安全の質の向上」に取り組んでいきます。

文責 医療安全管理室 古桧山建吾

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