みなさんは病院にかかった際、CTやMRI検査を受けたことがありますか?受けたことがあってもその違いを知らない人は多いのではないでしょうか。
今回はCT(Computed Tomography)とMRI(Magnetic Resonance Imaging)の違いについてお話させていただきます。
原理
CT X線(放射線)を使用して体内の断層画像を生成します。
MRI 強力な磁場(磁石)と無害な電磁波を使用して、体内の水分子の振動を検出し、その情報から高解像度の画像を生成します。
放射線の使用
CT X線を使用するため、放射線が関与します。健康被害を誘発する放射線の量は100mSv以上といわれていますが、CT検査で被曝する放射線の量は約5~30mSvと微量なため人体に影響を及ぼす可能性は極めて低いと考えられます。
MRI 放射線を使用しないため、放射線被曝の心配がありません。安全性が高いとされています。
画像の特性
CT 骨や異常な組織密度の変化による、密度の高い物質の検出に適しています。
MRI 軟部組織(脳、筋肉、軟骨など)の詳細な構造がより鮮明に観察でき、特に神経や関節の評価に適しています。
対象の違い
CT 頭部、胸部、腹部、骨など、広範囲の検査に使用されます。
MRI 主に脳、脊髄、関節、内臓、筋肉などの詳細な構造の評価に使用されます。
撮影時間
CT 通常の撮影であれば1部位につき3分程度と比較的短時間で撮影できます。
MRI 部位によって異なりますが、1部位につき20~40分程度と時間がかかります。
医師は患者様の症状や必要な情報に応じて、検査を選択しています。
今回はCTとMRIの違いについて紹介させて頂きました。みなさんの検査への理解が少しでも深まれば幸いです。ご不明な点がございましたらいつでも放射線科スタッフにご相談ください。
文責 土岐菜々美